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驚きの島 対馬 2014.11.4・5

11月末日でANA株主優待券が失効するので,どこかの日程でどこかに行きたいと考えていた。
寒くなってきたので,南西方面で乗り継ぎ可能な地域として,対馬が候補になった。調べてみると,何と長崎県であった。てっきり福岡県だと思っていた。というような驚きがたくさんあった旅となった。


平成26年(2014年)11月4日・5日

ANA1282 B737−500 (JA−8596)は,キャンセル待ちが出ているようである。
数年前まで減便や運行休止が検討されていた路線であるが,今では,ANAとFDA(フジドリームエアライン)の2社で3往復運行されている。

満員の客を乗せて,阿賀野川側から離陸した。離陸直後から,遠く富士山が雲の上に顔を出していた。
途中ほとんど揺れもなく,飛行を続けた。着陸前,多少の揺れがあったが,福岡空港を北側から着陸した。

対馬行きの飛行機が出るまで3時間ほどの時間があるので,中州川端町へ行って豚骨ラーメンを食べることにする。
川端商店街の中にある長浜ラーメン「風ーび」で思わずラーメンバリカタと半チャーハンを注文した。
Fさん「ビールで乾杯しますか」
K「どうぞご自由に,わたしゃ対馬で運転ですから」
Fさんのねぎらいの言葉を辞退して,ビールなしで美味しくいただいた。


 住吉神社

昨年,安産を願った「櫛田神社」「住吉神社」などにお礼参りをしながら博多駅へと戻り,福岡空港に行った。


ANA4937 B737−500 (JA−8404)は,定員の6割程度の乗客を乗せて,北側から離陸し右旋回をして北上した。
ちょうど福岡市内上空を通らないようにしているようだ。離陸上昇10分,水平飛行10分,降下着陸10分という感じで,かなり低いところを飛んでいる。わずかな水平飛行の間にCAさんが手持ちでアップルジュースを配っていた。14:45対馬空港に南側からかなりのハードランディングで上陸した。



 ここから,約20時間ほどの「驚きの島 対馬」の物語が始まる。



1 滑走路上でUターン・・・タキシンクウェイのない地方空港

ハードランディングではあったが,無事着陸したJA−8404は,滑走路の途中でUターンを始めた。
B737−500は,全長31メートルほどあるが,前脚と主脚との距離は10メートルくらいだから,45メートルある滑走路をUターンできるのだろう。
空港ターミナルには,ボーディングブリッジが1基あった。素晴らしい。

帰りは,ボンバルディア機だったため,ボーディングブリッジを使わない。
搭乗口からいったん荷物受け取り口に下りて,そこから駐機場へと進み搭乗する。なかなかコンパクトで面白いアイデアの動線である。この工夫により階段が一つ省略できる。この動線について,文章で表現しても分かりづらい。つまり,飛行機の発着が少ない空港で,動線をうまく考えて作られているということである。


 対馬空港ターミナルとモニュメント



2 釜山が見える?・・・国境の島

オリックスレンタカーで軽自動車を借りて島内を巡ることにした。
韓国に一番近い最北端までは遠すぎて行くことができない。しかし,そこには韓国展望所というものがあり,条件が良ければ釜山の街並みが見えるという。釜山まで49.5キロという近さである。そこまでは行けないにしても,高いところにのぼって景色を眺めてみようということで,中部にある「烏帽子岳展望所」に行った。ここから眺める浅茅湾(あそうわん)は,とても美しい。本日は晴天なれど,空気の透明度は低く,遠く韓国の山々は望むことができなかった。










二日目に行った上見坂公園からも残念ながら韓国の山々は望めなかった。
しかし,ここには,旧兵舎跡や砲台跡などが残されている。その昔からここは,国境の島であったのだ。今でもそのことに変わりがない。そういえば,いろいろなところで自衛隊さんの車両にすれ違った。その密度は新発田駐屯地周辺とは比べ物にならない。それだけ緊張感も高いことが伺えた。


 兵舎跡



3 あちこちハングル・・・観光客の半分は韓国人

韓国のお方と日本の人々では,服装がかなり違う。
もちろん,和服とチマチョゴリの違いではない。韓国の方々は,服装の色使いが独特である。(日本人に比べて)原色に近い色の組み合わせを好まれるとみた。たとえばオレンジのセーターに紫のズボン。ピンクと紫の組み合わせなども見られる。概して日本人は地味な色を好む。派手な色の服を着てもそれ一色で終わり。派手な色の二種類三種類の色は組み合わせない。まあ,こんなところかな。

この対馬,観光客の半分は韓国人だそうだ。中国人はほとんどいないとのことである。厳原港には,韓国からの船が到着する。福岡への距離よりもずうっと近い。韓国人にとって,対馬は最も身近な外国なのだろう。そんなこともあり,至る所にハングルがあふれている。トイレの注意書きもハングル,道路案内板にもハングル。
朝鮮半島と日本列島との接点に位置するこの島の歴史を感じた。






4 航空券はとれたのに・・・まさかの宿がない

本日の夕食は,郷土料理「石焼き」を食べさせてくれる割烹料亭「志まもと」。
「石焼き」は,石を熱くする時間が必要なので,予約を入れたほうが良いとの情報があり,Fさんに電話で予約を入れてもらった。石焼きの焼き方をレクチャーする仲居さんと雑談中,「ほんの数日前にここに来ることにしたんですよ」とK,仲居さん「よく宿が取れましたね」だと。




そう,話は戻って,数日前

ANAのいっしょにマイル割と株主優待券を使って,福岡経由対馬往復の航空券は手配できたが,肝心の宿が取れない。
楽天トラベルでも,ホテルやペンションは取れない。対馬旅行の口コミに,韓国人観光客と一緒になると,うるさくてかなわないといった書き込みが多い。

出発の5日ほど前から動き始めたこの旅行計画。
株主優待券の航空券は普通運賃同様自由度が高いが,いっしょにマイル割はほとんど自由度がない。飛行機の日程や便を変えることが難しい。これは困ったことになったぞ。と,その時一つだけあいている宿があった。「宿坊対馬西山寺」テレビがないのは構わないが,襖ひとつで隣の部屋の声が聞こえるとの書き込みもある。宿泊プランをよく見ると,ツインルームが1室空いている。宿坊に引っ掛かるものがあったが,何とか宿を確保することができた。ここならホテルと違って,韓国人客は来ないらしい。



5 デラックスホテル並み・・・やっと見つけた西山禅寺宿坊

恐る恐るFさんに,「お寺しか宿がないんだけど・・・」Fさん「いいよ,どこでも」お留守番のmomo「わーいいなあ,お寺に泊まるなんて,精進料理食べてみたいなあ」と,意外な反応が返ってきた。

さて,この宿坊対馬西山寺,山の上に這いつくばるようにできていた。石垣でできた入口を上ると,枯山水の砂紋が美しい庭に出る。飛び石を渡って宿坊に入る。








若い坊さんがチェックイン係。
重い荷物を持とうとするが,恐れ多くて自分で持って部屋へと向かった。そこからフロアーを上がること三層。着いたお部屋は,立派なツインルーム。バストイレ付で,テレビもあるではないか。並みのビジネスホテルより立派。

朝食会場は,椅子と机がおしゃれに並べてあり,薪ストーブがつけられている。壁には,リースの飾りも。完全の洋風。焼き魚もついているぞ。ふつう精進料理に肉や魚はないのではと思ったが,今朝頂いたのは,精進料理ではなく,宿坊の朝食だということで納得することにした。
これだけの内容で,込み込み一人7500円也。本堂で感謝のお祈りをして,宿坊を後にした。



6 レギュラーガソリン196.17円・・・最大の驚き

「レンタカーは満タン返しですが,給油できなければ1キロ当たり20円で清算します。
ちょっと割高ですが。」こんな会話をして,オリックスレンタカーを出発した。二日間の愛車は,ダイハツムーブ君。なんか懐かしい。

それにしても,1キロ当たり20円とは,ガソリン1リットル160円として,リッター当たり8キロか。高いなあという印象であった。
実は,レンタカーで一番嫌なのが,最後のガソリン給油である。大体,どっちに給油口があるか分からない。(実は,メーターのガソリンスタンドマークのあたりに△で方向を示してあるのだが。)給油口を開けるには,どこを引っ張ればいいか分からない。レンタカー会社によっては,満タン証明書を書いてもらうなど,よく分からないことが多くて,面倒だからである。

対馬には,ガソリンスタンドがそんなに多くはないようである。
不思議なことに,どこのガソリンスタンドにも,料金表示が見えない。限られたパイを分け合うため,価格競争をしていないのだろうか。と,散歩していると,小さな小さな料金表示が目に入った。

レギュラーガソリン196円

一瞬目を疑った。たっ高い。いくら離島とはいえ,それはないだろう。佐渡でさえ+10円くらいだぞ。

二日間で,90キロほど走った。そのまま返せば1800円か。迷った挙句,近くのガソリンスタンドに入った。196.17円・・・6.66リットル1306円也。まあ,500円ほど節約できたか。




こうして,ANA4934DHC8−Q400(JA−841A)に乗って,驚きの島対馬を後にした。

福岡空港では,これまた4時間ほどの待ち合わせ時間があった。
天気もいいし,久しぶりに百道(ももち)海岸に行ってみることにする。西南学院大学など,きれいなお金持ちさん大学の脇を通って,百道海岸まで歩いた。

途中の道は,「サザエさん通り」だとか。由来はよく分からない。




百道海岸でローソン弁当を食べて福岡空港に戻った。





ANA1283 A320 (JA−8300)は,夕暮れのとびしま海道を眺めながら北上し,夕闇の角田山をかすめ,亀田上空を通って左旋回をし,新潟空港に着陸した。


さて,次はどこに旅しようかと考えているKだったとさ。めでたしめでたし。

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