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瀋陽の旅 その6 2016.5.9〜11


5月11日(水)

日の出とともに、外では朝の喧騒が始まった。

なぜ、朝早くから喧騒か。通りの向こうは、中国医科大学と病院があった。朝早くから、大勢の患者さんが、タクシーなどで押しかけていた。



【中国医科大学 ホテルの窓から】



【網戸越しに道路を見る。丸印がタクシー 路上駐車で乗り降りしている。】




瀋陽空港の出発時刻が、10:15である。
出発の2時間前までに空港に到着するとなると、遅くとも7:30には、チェックアウトを済ませなければならない。

ということで、朝食は前日購入しておいたパンなどを軽く食べた。残念ながら、あの質素なバイキング朝食は、なしである。




と、突然ここで、驚きの中国トイレ事情についてうんちく。


昔の中国では、個室に扉がなく、みんな顔を見ながら用を足す「ニーハオ・トイレ」というようなものがあった。
今は、よほどの田舎に行かなければお目にかかることはないだろう。

我々外国人が行く、有料の観光施設、レストラン、ショッピングセンター、ホテルなどは、まあ大体一応許容範囲内のきれいさである。
但し、中国→韓国→日本と移動するに従い、その清潔度は激しく向上する。


注意点1:
ホテル・空港などを除き、備え付けのトイレットペーパーはない。
この情報は重要である。トイレットペーパーの芯を抜き、つぶして持参する。これ常識。これがないと、大変なことになる。(笑)


注意点2:
使用済みのトイレットペーパーを流してはいけない。
トイレットペーパーが水に溶けにくいということと、配管が細いからだそうである。
じゃあ、使用済みのペーパーはどうするか。便座の脇にゴミ箱が置いてあるので、そこに入れる。ふたがついていないので、丸見え。
これ常識。もし、これをやらずに、トイレを詰まらせたら、莫大な賠償金が待っている。
郷に入れば郷に従えである。何も恥ずかしがることはない。
服務員は、自分の仕事として淡々と処理する。


注意点3:
ごく少数の日系ホテル以外は、暖房温水便座などない。
冬の旅では、便座カバーを持参する。お尻の弱い人は、ハンディーウォッシュレットを持参する。



なぜトイレの話?
そう、遼寧賓館のトイレには、もう一つの問題があったのだ。

トイレットペーパーホルダーが、腰を掛けた右後方奥にあったのだ。
ペーパーを取ろうとすると、大きく右に振り返らなければならない。すると、薪割で少々痛めた右後ろ辺りの筋に、ピリッと電気が走る。トイレを出るたびに、右腰を伸ばすストレッチをしていたKであった。

この難題を解決したのは、Fさんだった。
答えは簡単。ペーパーホルダーから取り出したトイレットペーパーを、すぐ手の届く洗面台に置いたのであった。

そうだよ、これでいいのだ。現状に甘んじることなく、小さな改善をするのが日本人。
もう少し早く気づくと完ぺきだったが・・・。



閑話休題



ホテルのチェックアウトは、スムーズだった。

2泊分の宿泊料金800元(約14,000円)をカードで支払い、デポジットととしてチェックインの時に引き落とされていた1500元を返してもらった。



Fさんが、得意の英語でタクシーを呼んでもらうようにお願いした。

返事は、「Sorry・・・」

実はこうなることをちょっと心配していた。これまで見ていると、空車のタクシーが走っていることはほとんど見かけなかったからである。誰かが降りた後に乗り込むというのが一般的なようだ。


中山広場に面した、ホテル前のロータリーでタクシーを拾うことにした。案の定、空車のタクシーは走っていない。

しばらく待っていると、助手席に人が乗ったタクシーが一台、こちらにやってきた。
(中国で、一人でタクシーに乗る時には、助手席に乗ることが多い。)



怪その6

おお、ちょうどここで降りる客なのか・・・ラッキー・・・
と思ったが、停車しても降りる気配がない。
窓を開けて、「どこに行く?」と聞いてくる。「空港に行きたい」と言うと、「OK、乗れ」と言う。
やや高齢の運転手が降りてきて、荷物を二つトランクに入れてくれた。
どうやら相乗りのようである。まあ、いいか。


空港方面に進むが、途中で小道に入っていく。
道路が混んでいると、歩道やよその敷地を走り抜ける。「おい、何なんだこのタクシー」

しばらくして、助手席の客が降りた。ここまでの料金メーター10元。料金も払わずに降りて行った。
そうか、相乗りで載せてもらったほうが負担する仕組みなのか。たぶん。


怪しすぎるぞ、中国のタクシー


ここから、すごい運転が始まった。
空港から瀋陽の街までのタクシー運転手もすごかったが、どちらかと言えば、こちらの運転手のほうがすごい。
2〜3メートル車間距離があれば、すぐに割り込んで先に行く。
路側帯やゼブラゾーンを追い越し車線として活用する。
車の窓からぺっぺと唾を吐く。いやはや、やるもんだ。

車はとみれば、ボロボロのボロクソワーゲン。シートベルトはついていない。
それでも、ちゃんと「2016年検査証」が貼ってあるあたり、さすが中国という感じ。

街中では、あんなにスピードを出していたが、高速道路では、さほどのスピードを出さない。???と思っていると、なんだかきな臭いにおいがしてくる。気のせいではないと思う。

この運転手、車の状態を熟知しているのだろう。これ以上は無理という寸前で、運転しているに違いない。
もしかすると、この運転手、凄腕なのかもしれない。

空港について、料金を払う。
メーターの71元と高速料金5元。100元出すと、ちゃんと24元のお釣りをくれた。もちろん、領収書はなかったが。


恐るべし、中国のタクシー。



快その6

大韓航空のチェックインコーナーには、数十人が長蛇の列を作っていた。それをしり目に、優先チェックインをする。カウンター前には、西欧人のおじさんが一人だけ。悠々とチェックインを終えた。
快適快適。


出国審査前に、案の定、出国カードの記入が必要であった。あの取り上げられたカードを返してほしい・・・。

まあ、それでも無事出国できたから、いいか。



搭乗まで、時間もたっぷりあったので、朝食補食ということで、牛肉麺をいただくことにした。あっさり味で、おいしかった。



【あっさり味の牛肉麺 空港価格で超高い、確か1杯58元・・・】




こうして、大韓航空 KE832は、定刻10:15に瀋陽桃仙国際空港を飛び立った。



【機体後方に絵が描かれた大韓航空HL8209 B-777-300】




怪その7

瀋陽・平壌・ソウルは、ほぼ一直線上に位置している。
大韓航空機が、最短距離を飛行した場合、確実に撃ち落される。そこで、大きく迂回してソウルを目指す。

何とかならないのでしょうかね。



【瀋陽Shenyangから仁川Incheonへの飛行ルート 北朝鮮を大きく迂回する。】



回り道でも、1時間50分でソウル仁川国際空港に到着した。





つづく


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