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しまなみ・とびしま海道の旅 2014.3.9

 NHK「気ままに寄り道バイク旅2009年初夏の瀬戸内を行く」という番組があった。清水國明さんと国井律子さんとでバイク旅をする。
これまで,北海道編,東北編,震災後の東北編などが放送された。Kの大好きな番組である。
密かに,この瀬戸内編をバイクでトレースしてみようと考えているのであるが,バイクをどうするか等々難題がいくつかある。
ということで,今回はレンタカーで下見ということにした。


2014.3.9(日)

 新潟空港 8:00 ANA NH516 B737−800

 久しぶりに晴れの新潟空港であった。
川側から離陸。眼下に妙高・白馬・仁科三湖・吊尾根などがよく見えた。
生駒越えで少々揺れながら伊丹空港に南側から着陸した。

乗り継ぎ時間が少しあるので,伊丹空港内の搭乗口間を散歩して時間をつぶした。


 伊丹空港 10:20 ANA NH1637 DHC8−Q400

 南側から離陸。瀬戸内海の島々が,ぼんやりとしながらも見えた。目的地である大崎下島の港やホテルなどを確認できた。
少々揺れながら松山空港北西側から着陸した。たぶん片足ずつ歩いて着陸したのであろう。テレマークなしで減点か。

 Timesレンタカー松山空港店で,デミオを借りて出発。国道196号線を北上し,今治ICから西瀬戸自動車道(しまなみ海道)に入る。
入ってすぐの来島海峡SAで昼食とする。来島海峡の三連吊り橋がきれいに見える。鯛飯などを食べながら休憩した。





 ここから,大島・伯方島・大三島を通過して,生口島南ICで西瀬戸自動車道を下りる。国道317号線を通って,洲江港FTに向かう。

ここは,「岩城島」へのフェリー乗り場になる。



番組では,ここから岩城島に渡り,民宿「よし正」で宿泊し,積善山の頂上から瀬戸内海の島々をながめることになっている。このルートも考えてみたが,時間がないので,フェリーターミナルだけを訪れることにした。
掘っ立て小屋が一つと少しの駐車場があるだけ。もちろん係員もいない。まあ,機会があったら岩城島に行ってみよう。

 生口島北ICから,再び西瀬戸自動車道に乗り,因島,向島を経て西瀬戸尾道ICに到着した。
ここからは,国道2号線を西に向かう。三原市,東広島市などを経由して「とびしま海道」のスタート地点,安芸灘大橋に到着した。

ここは,ETCが使えない有料道路であった。今思えば,ETCが使えないという事実をよく考えておく必要があった。
現金700円也を支払い,いよいよ「とびしま海道」に進んだ。

最初の島は,下蒲刈島。整備されたきれいな町並みもある。お客のいないおみやげ屋さんによったが,何も買わずにあとにした。




二つめの島は,上蒲刈島。

桂の滝に向かう。桂の滝は,段々みかん畑の上にあった。
その道はといえば,幅2メートルちょっとの道路が山に向かってくねくねと進む。
ガードレールがないところもあり,助手席のFさんは,しっかりとドアノブをつかみ,足を踏ん張っていた。
農作業用に切り開いた道なのだから,この程度の広さでいいのだろう。どうなるかと思ったが,何とか無事に駐車場にたどり着いた。




駐車場から急坂を登ること5分,桂の滝は沢の水で,竹筒から勢いよく流れ出ていた。
冷たいわけではないが,まろやかな味がした。慎重に幹線道路まで下りた。




一番新しい豊島大橋を渡って,三つ目の豊島に到着。
この島は見所いっぱいで,農協支所(残念ながら閉まっていた),堤防の東屋,じいさんたちが掛けていた手製のベンチなど・・・そう,番組を見たことのない人にとっては,何の意味もないところで,一人はしゃいでいるKがいた。

 




豊浜大橋を渡って,本日の目的地,大崎下島に到着したのは,ちょうど18:00であった。

 本日のお宿「しまなみ館」は,海の駅と併設されている。売店にお客は誰もいない。
どうやら宿泊客は,我々二人だけ・・・のようであった。
旅をねぎらいながら瀬戸内の魚に舌鼓を打った。


3.10(月)

 二人ぼっちの朝食を済ませ,チェックアウト。
「支払いはカードで」
「すみません,カード使えないのです」
「ええっっ・・・」という会話で,二人の持ち合わせの現金をかき集めた。
何とか現金がそろったからよかったが・・・,コンビニATMもない,カードも使えない・・・,こんなこともあるんだと便利生活ボケのKは,頭を殴られたような気がした。
そうだ,ここはETCも使えない離島だったのだ。

 大崎下島は,映画「ももへの手紙」のモデルになった島だそうだ。
もっとも,その映画を見ていないので,何とも言えないが。

潮待ち・風待ちの港として古くから栄えていた御手洗地区に向かう。
8:00ちょっと前であるが,人がいない。



歴史的な町並みが静かに続いている。玄関脇の壁にどの家も生け花が飾ってある。静かなおもてなしである。



一軒の家から孫をベビーカーに乗せたおばさんが出てきた。
「おはようございます」
「早い時間から観光ですね」
「とてもいいところですね」
「ここは寂しいところです。日が暮れると誰もいなくなります。私は40年もここに暮らしていますが,まだ慣れません。」

半分以上が空き家であろう。
屋根が崩れかけた家も見える。
観光客にとっては「いいところ」でも,地元の人にとっては,いいところではないのかもしれない。

 瀬戸内といっても,ずいぶんと寒い。
でも,日が当たっているところは多少ぽかぽかしているが。


 いよいよ「とびしま海道」どん詰まりの島,岡村島に向かう。
大崎下島から二つの無人島を越えて岡村大橋を渡る。
この岡村大橋の中間点が,広島県と愛媛県の県境となる。橋の真ん中に両県の県境がペイントされている。




広島県と愛媛県,中国地方と四国地方,ずいぶんと遠いイメージだったが,理論上接していたのだった。


 岡村港FTは,有人の施設で暖房の施された小さな待合室もあった。

  

じっちゃんばっちゃん5〜6人がくつろいでいた。
ここは老人集会所かと思いきや,10:05のフェリーに乗って今治の病院に行くのだとか。
おいおい,今8:45だぞ。一体何時から集まって来ているのだ。

聞けば,地続きの広島県呉市の病院に行くのではなく,やはり自分の県である愛媛県今治市の病院に通うそうである。
フェリーに乗ってしまえば,約50分で到着するわけだから,その方が便利なのかもしれない。
そして,やっぱり自分の県という意識があるのだろう。

昔から,段々畑でみかん栽培をしていたそうだ。
重労働で,膝や腰を悪くしているらしい。
まあ,内科の病気でないので口は達者のようである。

早朝からにぎやかな遠足状況のじっちゃんばっちゃんであった。それにしても若者子供たちの姿が見えない。


 そうこうしているうちに,9:10を過ぎ,我々を乗せる「フェリーみしま」が到着した。
下船したお客は,一人。

というところで,驚きの乗船方法。
「はーい,車をバックから入れてください。」
「えっ バック?」

前から車を入れて,後ろから車を出す(または,その逆)というのが普通だろうに。
ここでは,その普通が通じない。まあ,そのくらいのバックができなくては,困るだろうけどね,
と我が車を載せたら,すぐにゲートが閉じられた。




あれ,お客は二人だけ?ということで,23分間の超豪華貸し切りフェリーは,岡村島をあとに,大三島へと向かったのであった。

ちなみに運賃は,運転手付き車航送料金1790円と大人一人400円,合計2190円。


 大三島は,愛媛県に属する島で,伊予一の宮大山祇神社がある・・・というのは,そこではじめて知ったのであるが。
なかなか立派の境内で,楠の巨木が二本ある。
本殿は檜皮葺でいかにも格式があるたたずまいである。脇には校倉造りの倉庫もある。




 大三島ICから再び西瀬戸自動車道に乗り,大島北ICで下りた。
お目当ては,亀老山展望台。

比較的整備された山道を登ると標高301メートルの展望台に到着した。
風が冷たいが,来島海峡大橋を望む絶景が待っていた。




 その後,前日昼食をとった来島海峡SAで休憩の後,大角鼻海浜公園から,これまで通ってきた,しまなみ海道・とびしま海道の全貌をながめた。
あいにくと,雲がかかり小雨が降ってきた。
ピンクの桜や水仙が満開であったが,早々に退散して,松山市内へと向かった。

途中道の駅で昼食をとったり,お遍路さんを見つけたりしながら予定よりやや早く,14:45にTimesレンタカー松山空港店に到着した。


 松山空港 16:15 ANA NH1646 B737−800

 到着便遅れのため,出発が45分遅れの17:00になった。
タキシングウェイに向かったが,なかなか出発しない。
ここでひと悶着があったようだ。
隣のボーディングブリッジを離れたJAL機が行く手をふさいだようである。
どうやらこちらのANA機が先に出発の許可をもらっていたのであろう。

なんと本機は,滑走路上に出てタキシング。
出発地点でぐるりと180°方向転換し,JAL機より先に東南側から離陸した。

上空では時々揺れがあった。和歌山上空で左旋回し,揺れながら伊丹空港に南側から着陸した。


 伊丹空港 19:10 ANA NH519 B737−800

 拉致被害者のHさん,NB高校0監督と野球部員などの顔が見えた。
170席ほどが満席という盛況ぶりであった。10分遅れで,南側から離陸。
途中あまり揺れはなかったが,新潟上空で雲の中に入ると,少々の揺れがあった。
左旋回をして除雪車が待機する新潟空港に川側から着陸した。


 路面凍結の新潟市内は,ABSが効きまくりという状況で,仰向けになって休んでいる軽自動車もあった。


 こうして,バイク下見のツアーは終わったとさ

 めでたしめでたし


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