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奇跡の野沢菜
「奇跡は起きるものではない,起こすものである。」
これは,アルビレックスのJ1残留だけではありません。

最近,Kは,漬け物に凝っています。ぜひ小布施に行きたいというFさんのリクエストに応えて,長駆北信濃まで出かけました。その帰り道,たまたま寄った道の駅「花の駅・千曲川」で,野沢菜の大群に出会います。試しにということで,一束3.5キログラムの野沢菜を購入しました。
家に帰って,3.5パーセントの塩と唐辛子を入れて,野沢菜漬けを作りました。次の日には,重石の所まで水が上がりました。そのまま,一週間。とてもおいしい野沢菜漬けができあがりました。こりこり・ざくざくと歯触りも,市販のものと変わりません。

「よし,越冬用にもっと漬けてみるか。」ということになり,野沢菜を求めて再び北信濃へ出かけることにしました。

12月2日(日)に花の駅・千曲川に電話をして,野沢菜の有無を訪ねました。
「もう,かなり雪が降りましたからね。雪が降ると農家の人が持ってこないのですよ。」との返事でしたが,それならば早いうちにと12月3日に出かけました。

津南のあたりから,道路の脇に雪が見られます。県境を越えて森宮野原にはいると,15センチ近い積雪です。

@道の駅「信州さかえ」で,野沢菜を探してみます。ありません。

A道の駅「花の駅・千曲川」に到着しました。ありません。
「野沢菜は,雪が降ると茎が折れて売り物にならないのです。だから農家の人が持ってこないのですよ。」
まあ,仕方がないから,ランチを食べ,ここの名物「肉球マシュマロ」などを買って,飯山の町に探しに行くことにしました。

B飯山駅前の案内所で野沢菜を取り扱っていそうな所を尋ねました。
「このあたりでは売っていませんね。自分で作りますから。野沢菜は,雪が降ると茎が折れて・・・」と同じ説明を受けました。
「長野の方は雪が降っていませんので,あるかもしれません。ここから20分ほど行くと道の駅ふるさと豊田がありますよ。」

C道の駅「ふるさと豊田」の売店脇に,密かに積まれた野沢菜を見つけました。やった!
「すみません,これは予約の人のものなのです。」がっかり!

D信州中野インターチェンジの近くにJAの直売所があるのを見つけました。
「午前中に農家の人が持ってきましたよ。おばあちゃんたちが奪い合いをしてました。もうないでしょう。それよりも,このエリンギ寿司買っていかない?おいしいよ。」
Fさん,もちろん購入。

Eハイウェイオアシス「おぶせ」りんごばかりで,野沢菜なし。

F中野市の「野菜直売所」
先に店に入ったFさんが,元気な声で「野沢菜くださいな」,やった!あったのかな。
「漬けたのならあります。これ蕪です。」
残念!確かに,野沢菜は蕪の一種でした。

G道の駅「北信濃やまのうち」もう,商品もほとんどなし。

で,あきらめて帰ることにしました。
が,途中で,
HJA信州いきいき館を発見。最後の挑戦をすることにしました。店頭には,野沢菜らしきものは見あたりません。あきらめきれないFさんは,店員さんに尋ねました。
「雪が降ると,もう農家の人が持ってこないのですよね。・・・」


お待たせしました。ここから奇跡が起きるのです。

帰ろうと車に乗ると,店の前に軽トラックが横付けにされました。
荷台には,白菜などの野菜に混じって,野沢菜が積まれていることを見逃しませんでした。
Fさんが果敢に挑戦。
農家の母ちゃん曰く
「私は,ここに買い物に来たの。これは,友達の所に届けるものだから,売ることができないよ。」
粘るFさん
「家に少しあるから取りに来る?」

ということで,軽トラックのあとをついて10分ほど,敷地内に居酒屋がある農家の庭先に到着したのでありました。
あった!あった!君たちこんな所にいたんだね。
こうして,奇跡の野沢菜くん10sと出会ったのでありました。

「そう,新潟市から来たの。お茶しようよ。コーヒー呑んで行かない?」
農家の母ちゃんと思ったその方は,それはそれは気っ風のいい居酒屋の「女将さん」だったのでした。


12月18日現在,その野沢菜くんたちは,いいあんばいに漬かり始めました。
お正月を楽しみにしていてね。

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