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ある意味 奇跡の残留 最終回



【今年は、アルビ創設20周年記念だった。その記念Tシャツ ¥500】




2016年11月3日、なんだか「2012年最終戦」の時と同じように、あまり会話もなく、車はビッグスワンの駐車場へ向かった。
しかし、席についてピッチを見渡しても、あの時に比べ、あまり悲壮感はなかった。

人は、これを「残留力がついた」と呼ぶらしい。


今日の主審は誰だろうとピッチを見れば、何とあの「家本正明」氏ではないか。

ここでまた、あの憎っきガンバ大阪のDF岩下敬輔の映像がよみがえった。
昨年の対戦でのことである。岩下敬輔は、ボールの動きと関係ないところで、大げさな動作で倒れた。こともあろうか、この不純?な行為を受け入れて、PKを与えたのである。その時の主審こそ、誰やあろう家本正明氏なのである。この人のレフェリングについては、いろいろな話の種が尽きない。

「家本さん、去年のこと忘れていないよね。」という意味を込めて、小さな拍手を送った。


さて、「飛車・角・金・銀」落ちのアルビレックス新潟。
すでに降格が決定している17位湘南ベルマーレと対戦する名古屋グランパス。
勝ち点1差ながら、サガン鳥栖と対戦するヴァンフォーレ甲府。

運命の戦いは、13:33それぞれの会場で、同時に始まった。


さて、アルビ。
前半21分、さあカウンターを仕掛けるぞというその時、パスをカットされ、ピーターウタカに先制ゴールを許す展開となった。こうなると、がぜん強いのがサンフレッチェ広島。がっちりと守備を固める。


失点すると気になるのは、名古屋グランパスの戦況となる。
2012年と違い、WIFIなどの電波状態も良いらしく、あちらこちらから最新の情報が聞こえてくる。何だか、名古屋グランパスがリードされているらしい。



ハーフタイム時に、他会場の途中経過が表示された。

「名古屋グランパス 0−2 湘南ベルマーレ」との表示に、微妙なざわめきが広がった。



後半が始まるが、アルビレックス新潟は、防戦一方という感じになっている。

家本正明主審の仕事ぶりといえば、かなり新潟寄りのように見える。さすがに、去年のことを反省しているらしい。(そんなことはないか)


目の前の試合よりも他会場が気になるという、異様な雰囲気がビッグスワンを覆い始めた。


アルビレックス新潟は、堅い守備のサンフレッチェ広島を攻めあぐんでいる。

そのうちに、「名古屋グランパス 1−3 湘南ベルマーレ」という情報がどこからともなく聞こえてくる。


終了間際、アルビレックス新潟の三人目の交代は、DF大野和成だった。

あれ、負けているのに守りを固めるの???という状態だった。どうやら、他会場の情報を見ながら、残留するための苦肉の策を取ったらしい。



こうして、アルビレックス新潟は、勝ち点30、得失点差−16で、2016年シーズンを終えた。

あとは、名古屋グランパスが負けるのを待つだけだった。

例によって?あちこちから拍手が起こる。そして、残留を伝える場内放送が・・・。と、まあ、一応歓声は上がったが、なんとなく冷めた感じのものであった。

2012年の、あの「奇跡の残留」には、遠く及ばないものであった。せめて、勝って残留を決めてくれたらなあというのが本心だった。



ある意味奇跡の残留と言える所以

・2016シーズン、一度も連勝がなかった。
・勝ち点30という過去最低の残留だった。
・年度当初の不安であった最終6節を、不安通り1勝5敗で終えたのに、残留した。
・年間で、降格圏に入ったのは、16位になった3節だけだった。2ndステージは、4勝13敗で勝ち点12だったのに、一度も降格圏に入らなかった。


それにしても、よかったのは、残留した事だけという散々な2016年シーズンだった。



ホーム最終戦セレモニーでの田村社長のあいさつ。最近恒例になった大ブーイングが悲しかった。
このような結果になったのは、一人社長のせいだけではなかろう。スタッフも選手も、そして、我々サポーターにも責任があるだろう。


細々とした年金生活の中から、年間20万円近くの大金を払って応援しているのは、地元新潟に日本最高のリーグで頑張るチームがあるからだ。本物のプレーの素晴らしさ、本物の感動を間近に見ることができるのである。これは、お金にかえられない宝物である。

もっともっと多くの人に、この感動を味わってもらいたい。
しかし、毎年毎年ハラハラドキドキではね・・・。



とまあ、力んでみたが、来年度心機一転、新しいチームをスタートさせてもらいたい。

ということで、今回の残留記念大宴会は、プレミアムモルツわずか2本と、しょぼい乾杯で終えたということが今シーズンのすべてだった。



【年間勝ち点の推移  青:甲府  オレンジ:新潟  赤:名古屋 薄氷の残留だったことが分かる】



おしまい



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