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公開収録 その舞台裏


 NHK−FMで日曜午後に放送されている、「きらクラ」の公開収録が長岡リリックホールであるという情報を得た。早速、往復はがき2枚応募した。そのうち1枚が当選し、9月上旬に会場に出向いた。

 生放送でなく収録ではあるが、本番では緊張感が漂う。番組放送時間は、1時間55分。収録時間は、休憩をはさみ実質1時間50分ほどだった。


 収録から1週間後、その放送を聞いた。
 内容は、ほとんどカットされた部分はなかった。出演者が登場するまでの時間や、演奏を始めるまでの間合いなどが少し調整されていただけのようである。レコードからの曲とエンディングテーマなどが組み込まれて、見事1時間55分に調整されていた。

 番組からは、5名の出演者のトークや演奏しか聞こえてこない。しかし、目の前に繰り広げられた公開収録では、大勢の人が音を立てずに動き回っていた。舞台監督、会場内の発言者の声を拾うマイク係、音響係、そして出演者にペットボトルの水を配る人と、多くの人の姿があった。我々の見えないところで、数十人、もしかすると数百人の人が関わって、この番組ができたのだと思う。


 数年前、ANAの機体整備工場見学に行ったことがある。今まで知らなかったことを多く見、聞き、感じることができた。そこでの経験から、飛行機に乗る時の安心感や、搭乗時の新たな楽しみを得ることができた。

 最近流行しているバックヤードツアーや「○○の舞台裏、すべて見せます」などというテレビ番組は、これらの流れの中にあるのだろう。普段見ることができないものへの興味とともに、表の舞台を支えている多くの人たちの努力を見ることによって、その組織や活動に対する理解が何倍にも深まる。


 普段の演奏会とは、ひと味もふた味も違う公開収録だった。出演者とスタッフとが、一体となって番組を作り上げていく舞台裏は、とても新鮮だった。



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