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いい塩梅

今年初めて梅干しを作ってみました。作り方を調べていると,本当に様々あるのですね。まあ,決意を固くするために,道具をそろえるところから始めました。

5月1日,緊急避難中のIbuと一緒にプラント5に行って,梅干し用のざるを二つ買ってきました。もちろん梅干し作りがメインですが,当面は,山で採ってきたゼンマイを干すときに使います。



そして,待つこと約二月,ようやく梅干し用の梅が市場に出回り始めました。

6月28日,梅の塩漬け
まるまると熟した亀田名産藤五郎梅3sを購入し,塩分18%で塩漬けをしました。2日後には,梅酢が梅の上までしっとりと上がってきていました。

7月4日,紫蘇漬け
赤紫蘇の葉270gを20gの塩で2回ほど揉み出し,黒っぽい汁をすべて捨てた後,塩漬けをした梅の上に入れました。しばらくそのまま漬け込み,少しずつ梅に赤みが帯びてきました。

7月28日・29日・30日,天日干し
天気予報とにらめっこの日が続きました。いよいよ,7月28日からしばらくの間,晴れの日が続くようです。ここだとばかりに,梅干しの天日干しを始めました。この日は,予想通り,新潟地方気象台が「梅雨が明けたと思われる」と自信なさそうに梅雨明け宣言をしていました。
天日干しは,一日二回ほど梅のひっくり返しを行います。夕方3時頃には取り入れて,壺の中梅酢の中に戻してあげます。天日干しを繰り返していると,だんだん色がよくなると共に,皮がしっかりしてくるように感じました。そして,梅の果肉が柔らかくなってきました。



一つ試しに食べてみました。外側はしょっぱく,内側は「うめ」という感じですが,紛れもなく梅干しになりつつあるのが分かります。
梅酢や紫蘇も天日干しをしました。

7月30日,保存熟成
いよいよ保存熟成段階に入りました。調べてみると,いろいろな保存熟成方法があるようです。今回は初めてなので,次の三つの方法を試してみることにしました。

・カメの中の梅酢と共に,紫蘇と梅干しを交互に混ぜて,ごく軽い重石で漬け込む。
・小さな保存瓶の中に,梅を梅酢に浸してから入れて熟成させる。
・小さな保存瓶の中に,梅をそのまま入れて,内部から出てくる梅密によって熟成させる。

一部の紫蘇は,かりかりに乾燥させて,ゆかりにしようと思います。





さて,できあがりが楽しみなのですが,ここまで取り組んでみて,先人の深い知恵に感動しています。


それは,自然の条件を非常にうまく取り入れているということです。
・梅雨の頃に梅の実が熟し,収穫ができる。(梅の塩漬け)
・塩漬けが進んだ頃に,青紫蘇の葉の収穫時期になる。(青紫蘇を漬け込む)
・紫蘇の香りや色が付き,塩漬けが完成した頃に梅雨が明ける。
・梅雨明け三日といわれる快晴の日に,三日ほど干す。(土用干し)

何と理にかなったことなのでしょう。


たかが梅干し,されど梅干しです。
先人の知恵が詰まった「いい塩梅」の梅干しになるように念じて熟成を待っています。

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