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暗 譜



  ピアノで,ゆっくりな曲のさわりだけを練習して楽しんでいます。

  今取り組んでいる曲は,ショパンのプレリュード作品28−7です。あの太田胃散の宣伝に使われている曲です。わずか16小節で,後半部分は多少音が付け加わるのですが,繰り返しになっています。初めの8小節をクリアできれば・・・,というものです。

  たぶんピアノをまじめに習ったことがある人は,2・3回おさらいをすれば,弾けるでしょう。ところが,挑戦を始めて約2週間。なかなか納得いくところまでいかないのです。一番のネックは,左右の指が少しクロスすることでしょうか。


  リコーダーなどは,楽譜を見ながらまあだいたいは演奏できます。上手下手は別として・・・。ところが,ピアノ譜は楽譜を見ながら演奏というわけにはなかなかいきません。通常,5〜6音を一緒に弾きます。それをパッと楽譜を見て弾けという方が無理というものです。

  さて,どうするか・・・。指の形を記憶するのです。フレーズの初めの部分の指の形を覚えて,そこから展開しながら演奏をしていきます。練習中のプレリュードの8小節の中に,4つのフレーズがあります。その4つの初めの部分をまず覚え,そのフレーズがどのように動いていくかを記憶します。何とも効率の悪い覚え方をしていると,自分でも思います。

  非効率的でも,一度覚えてしまうと,一日1回程度おさらいをすれば,だいたい忘れずに演奏できるようになります。これまで一番がんばった曲は,ベートーヴェンピアノソナタ14番第1楽章,いわゆる「月光」です。69小節もあるのですが,何とか覚えました。但し,楽譜に♯が4つ付いてるとか,左手はド♯のオクターブで右手はソ♯から始まるなどとは一切記憶していません。


  私の暗譜方法は,指の形,即ち楽譜を図形として覚えているのでありました。今,プレリュードでうまくいかない原因は,左右の指が少しだけクロスしてしまい,図形として残りにくくなっているからではないかと思っています。(加齢による記憶力の低下との陰の声あり)


  人の記憶方法というのは,とても面白いということを再発見しました。記憶の方法は,人それぞれでしょう。30分以上の大曲を演奏する人たちは,どのような方法で暗譜しているのでしょうか。興味は尽きません。



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