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クアラルンプールの旅 その3 2019.6.15〜18


エピソード3 見えるがたどり着けない


6月17日(月)

 8:30にホテルをチェックアウトした。19:00頃まで荷物を預かってもらい、身軽なスタイルで出発した。

 ただ一つ、Yahooの天気予報によると、今日は雨が降りそうだということで、折りたたみの傘だけはバッグに忍ばせておいた。

 案外、午後のスコールを結構楽しみにしていたKであった。



 最初の目的地は、国立博物館。



【マレーシアの国旗がたなびく、クアラルンプール国立博物館】




 ここは、ホテルの窓から真下に見えるのだが、ホテルとの間には、高速道路かバイパスのような道路が走っている。
 この道路の横断が第一の関門のような気がした。


 ホテルからは、地下道を進み、「国立博物館前駅」という地下鉄駅につながっている。

 そのような名前なので、きっとその地下鉄駅まで行けば、何とか国立博物館に着けると誰でもが思うはずである。ところがどっこい・・・。



 国立博物館前駅の改札口にたどり着いた。改札口は、こちら側(道路の手前)と向こう側(道路の向こう側)と二つ並んである。
 しかし、この改札口では、こちら側から自由通路で向こう側に行くことはできない構造になっていた。

 向こう側が見えるのにたどり着けない。


 仕方ないので、人の流れに従って地上に出た。

 もちろん、まだ道路横断はできず、道路のこちら側にいる。何とか、向こう側に渡れる歩道橋を見つけようとしばらく歩いた。







 おっ、ここではないかと思われる場所があったので進んだ。
 と、その瞬間、「ピッピー」とホイッスルが鳴り響いた。

 警備員がどこへ行くと聞いてくる。

 国立博物館に行きたいと言うと、丁寧に、道順を説明してくれた。ホイッスルの音量に比べ、意外と親切だった。
 

まあ、どちらも訳の分からない英語で訪ねたり答えたりしているので、不明な点も多かった。途中、何人かの警備員に尋ねながら、ようやく「国立博物館前駅」の地上入口にたどり着くことができた。



 いったん地下に降りると、見覚えのある場所に出た。さっき渡れなかった向こう側の改札口の外だった。


 こうして、ずいぶんと時間を費やして、国立博物館にたどり着くことができた。



【内部は写真撮影可だったようだが、一生懸命話を聞いていたので、撮影しなかった。】




 1時間ほど、日本人ボランティアガイド(男性)の丁寧な説明を受けながら、見学した。マレーシアという国の歴史を知ることができて、大変興味深かった。

 ガイドさんは、退職者向けの「マレーシア・マイ・セカンドホーム・プログラム(MM2H)」というビザを受けて、7年間も滞在しているそうだ。


 「今日は雨が降る予報が出てますね。」と言うと、「毎日こんな天気で、雨もあんまり降りませんよ。」との返事。
 バッグの中の傘は役立つのだろうか。



【博物館の裏側 この銅像 誰だろう】




【こんな展示物もあった】





国立博物館を後にし、公園を歩いて、マレーシア・イスラム美術館に行った。



【ドームの内側】




【手書きのコーラン】




【ゆったりとした展示室】




【アラビアンナイトに出てきそうな壺】




【美しい陶器】





 国立モスクは休憩時間で、中に入ることはできなかった。



【近代的な国立モスク  イスラム教が国教であるが、信仰の自由は保障されているそうだ。】




 ちょっと歩くと、マレーシア駅である。ここから電車でKLセントラルに戻ろうと思った。


 マレーシア駅は、大変重厚な建物だが、何だか人の出入りが見られない。

 地下道を通って駅舎に入っても、ほとんど人はいない。KLセントラル行きの次の電車はと時刻表を見ると、・・・1時間後だと。



【駅として使われているが、完全にターミナル性を失ったクアラルンプール駅】




 きっと道沿いに歩けば「国立博物館前駅」にたどり着けそうなのだが・・・。また、警備員にホイッスルを吹かれても嫌だったので、多少回り道を承知で、来た道を戻った。


歩いて「国立博物館前駅」に着いたのは、マレーシア駅からの電車の到着時刻よりもずいぶんと前だった。



 お昼を過ぎていたので、ブキッ・ビンタンに行って、「福建麺:ホッケンミー」を食べることにした。

 地下のフードコートに名店「金蓮記」がある。フードコートなので、アルコールはないが、まあいいだろう。



【金蓮記:正面の方がなかなかどいてくれなかった。】




【お待ちかね ホッケンミー 10RM】




 食後は、近くにあるクアラルンプール最大のショッピングモール「パビリオン」に行った。何とも広い。東京ストリートなる一角もある。まあ、大勢の人でごった返していた。



【パビリオンの中から、入り口を入口方面を写す。】




 特に買うものもないので、スターバックスで休憩し、最後の行動計画を練った。



【名前が書いてあるぞ】




 慣れ親しんだモノレールで、「ブキッ・ナナス」に行き、そこから、クアラルンプールタワー(KLタワー)を目指すことにした。


 駅を出て、反時計回りに進む。左手にKLタワーが見える。



【見えるがたどり着けないKLタワー】




 ずいぶん進んでも、左手にKLタワーが依然として見える。

 しばらく進んで確かめると、KLタワーは、高台にあり、左回りでは、駅から270°ほど回らなければならないことが分かった。
 つまり、右回りでは、1/3ほどの距離で行けたということであった。結局30分ほどのウォーキングと相成った。

 嗚呼、見えるがたどり着けない現実が、ここにもあった。


 それでも、ようやくたどり着き、その絶景を眺めることができた。







【前日のぼったツインタワーが見える。】




 夕暮れも近づく帰り道は、当然左回りで、10分ほどで駅に着いた。


 こうしてホテルに戻り、荷物を持ってクアラルンプール国際空港に向かったのであった。



つづく

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