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早春 清里への旅 2014.4.7・8


ドイツに行ったことはないが,地ビールを飲みながら手作りソーセージを食べる雰囲気として,清里は最適ではないかと思っていた。木立に囲まれた山小屋風のホテルに泊まり,八ヶ岳を未だ見たことのないドイツの山々に見立てていると,どこからかアルプホルンの音が聞こえてきそうである。(ドイツ,オーストリア,スイス,リヒテンシュタインの区別がつかないKである)

ということで,MAKOTO氏から7人乗りのミニバンを借りて,出発した。メンバーは,HH様,Tu子さま,Re子さま,そしてFさんとKの5人。総年齢360歳を越えたとか越えないとか。


4月7日(月)

松の家を6:05に出発して,Re子さま宅へ向かう。予定通り6:30に到着。Re子さまは,駐車場の前ですでにお待ちであった。今回のRe子さまのミッションは,「生活風紀係」。さすがに自覚されている。時間通りのスタンバイであった。「Kさん,安全運転でお願いしますね」と,さっそく指導を受ける。

7:35HH様宅を出発,一路北陸道を進む。2500ccのミニバンは運転が楽だね。特に高速道路は。と,西山を過ぎた辺りから,米山がしっかり見える。柿崎を過ぎる辺りからは,妙高・火打・焼山・雨飾山とおぼしき山々が真っ白に輝いていた。ここからしばらくは,妙高山と一緒に旅をすることとなる。

上信越道妙高SAの駐車場は,ガラガラ。長年の勤務から解放されたHH様Tu子さま,平日旅行のありがたさを堪能しているようでありました。





妙高山の次に見えてくるのは,飯縄山=いいづなやま。これを「ええづなやま」と言う人がいるとかいないとか,車内は大いに盛り上がりながら南へと進んだ。
そうこうしているうちに,右前方に尖ったくちばしと武田菱が見えるではないか。おお,あれはまさしく五龍・鹿島槍ではないか。ということで,後立山連峰が見え隠れしながらその全貌を見せてくれた。生活風紀係の指導があるといけないので,運転に集中することにした。それにしても,上信越道からこんなに美しく後立山連峰が見えるとは,新しい発見であった。

更埴JCから長野道に入る。姥捨SAで,小休止。日本三大車窓の一つとほぼ同じ風景を堪能した。北信五岳「妙高山、斑尾山 、黒姫山 、戸隠山、飯縄山」の説明があった。長野盆地から見える山々ということだそうだが,妙高山は,新潟県だろう!!

姥捨伝説ということで,合計年齢360歳もどきの同行5人は,言葉にはしないけれど,このSAを敬遠気味であることを何となく察知はしていた。しかし,この伝説,よく読んでみると,高齢者の知恵に助けられたという話であり,ここで安堵したのはKだけではなかったはずである。

岡谷JCから中央道に入り,諏訪湖SAで,ちょっとだけ諏訪湖を眺めた。八ヶ岳もその姿を見せている。

中央道を諏訪ICで下り,諏訪大社上社本宮(かみしゃもとみや)を参拝する。手水社で身を清め,ふと右を見ると温泉が湧き出ている。近くに上社本宮温泉というのがあるとか。その広告塔の一部かもしれない。おっと,Re子さまは社務所へ。御朱印帳に記帳をしてこられたとか。ここは,何だかほかと違って高額だったとか。まあまあ,数ある諏訪神社の総本社(1/4)ですから・・・。御柱を眺めたりしながら拝殿に向かう。おお色鮮やかで何と美しい・・・と,よく見ると,拝殿は現在工事中でその前に工事用の幕が掛けられており,そこに美しく拝殿の絵が描かれていたのでありました。その前に,有り難きかな鏡と御幣が飾ってありました。そのおもてなしの心に感動しながら安産のお願いをしたKでありました。





本日のお昼は信州そばということで,近くの「やまさや」というお店で美味しくいただいた。Kは,「松本山雅FC」のポスターを見つけ,長野県を実感した。反町反町男前・・・。

再び中央道にのり,前方の真白き山々を「仙丈ヶ岳だ」「北岳だ」「甲斐駒ヶ岳だ」と論争になりながら進んだ。全員納得「あっ,富士山だ」
小淵沢ICで中央道を下り,八ヶ岳高原ラインを走る。林に囲まれた快適な道路である。残雪を心配していたが,まったく雪なし。前後に車なし。対向車もめったに来ない。高度をぐんぐん上げて,1500メートル近くまで上がる。八ヶ岳の赤い橋でおなじみの東沢大橋で,小休止。HH様は,ミッション「趣味の写真係」をしっかり実践していた。





清泉寮到着。ここは,その昔キリスト教研修の施設であったそうだが,今は,ロッジ・コテージ・レストラン・キャンプ場などを有する宿泊研修施設である・・・まあ,普通の体験型観光施設かな。濃厚なソフトクリームが有名ということで,一人一つのソフトクリームタイムとなった。4月の標高1380メートル地点。晴れとはいえ,日陰は寒い。でも,がんばってノルマをこなした。





14:30,本日のお宿「萌木の村ホテルハット・ウォールデン」に到着した。チェックインには少々早かったが,荷物を預けることにした。「ご予約を承っております。今すぐチェックインできます。2名様1部屋と3名様1部屋でございますね。これが鍵です。」おいおいおい違うよ,ツイン2部屋とシングルユース1部屋の3部屋ですよ・・・。ホテル側の設定ミスということで,「ホール・オブ・ホールズ,オルゴール館」の無料入場券のサービスをいただいたとさ。


オルゴール館は,本日貸し切り状態。といっても,何となくいつも貸し切り状態。よく見かけるシリンダーオルゴール・ディスクオルゴール,そしてパリ万博で使われたという大型のオルゴールまで,かなりの品揃えである。圧巻はピアノロールによる自動演奏。ラフマニノフが演奏する「熊ん蜂の飛行」であった。音を再現したいという人の願いと,それを実現しようとする人間の技術の結晶のすばらしさを堪能した。その技術の結晶も,蓄音機の登場によって駆逐されていく。そして,駆逐した側の蓄音機もまた・・・。


ホテルハット・ウォールデンは,森がよく似合うウッディーなプチホテルである。フロントは,木の階段を上がった二階。お部屋はそこから階段を下りた一階。宿泊棟は一階部分のみ。外から部屋に入るには,一度二階に上がって一階に下りるという,山岳仕様であった。もちろんエレベーターはなし。皆様,お疲れ様でした。



(ホテルハット・ウォールデンと樹液採取中の白樺)



夕食は,ホテルの隣にあるレストランROCKでいただくことにした。メインディッシュは腸詰屋のソーセージ類,ビールは八ヶ岳ブルワリーのタッチダウンビール。これらのものが,ROCKの中で作られている。もちろん,口当たり爽やかな甲州ワインもいただいた。正直Kは,この瞬間を想定して今回の旅行を計画したことをカミングアウトしておく。


ふと見上げると,西の空にはまだ冬の大三角が輝いてる。北の空には,北斗七星が鎌首を持ち上げている。八ヶ岳山麓標高1200メートルの夜は,さんさんと降り注ぐ星たちに見守られながら,更けていったのでありました。



4月8日(火)

朝の散策から戻ったTu子さまの来室から,Kの一日が始まった。
HH様の高級カメラが不調とのこと。「趣味の写真係」の仕事ができないと,Tu子さまは,自らのミッション「保健衛生係」の仕事をカメラにまで適用して業務をされた。まあ,人間相手の業務よりいいか。Kは,バッテリを取り外したり,レンズの取り外したりして様子を見た。正解は,レンズの取り付け位置のずれにあったようで,見事問題を解決した。(えへん!)

8:00になり,八ヶ岳が見えるレストランで朝食となった。高原の爽やかな朝食は,ごちそうを何倍にも美味しく彩る。デザートは,白樺の樹液でできたゼリー・・・おしゃれだね。ほんのり甘い樹液も生で賞味させていただいた。ごちそうさまでした。





JR最高地点からは,八ヶ岳が朝日に浴びて美しく輝いていた。そこには,鉄道神社がまつられている。ここでも,しっかりと安産と旅の安全をお祈りした。なぜ安産か,それは小海線だから。
女性陣は,国立市から青春18切符でやってきたという女性と,何やら話が盛り上がっていた。





JR駅最高地点の野辺山駅では,小淵沢行きの電車を見送ることができた。特筆すべきはこの駅のトイレ。清掃が行き届いているのはもちろんであるが,きちんと暖房がなされている。最高地点の名に恥じない駅でした。

八ヶ岳に別れを告げて,国道141号線を北上し,小諸に向かう。佐久平に出ると,正面に浅間山が見えてきた。大きな山容と左側に噴火跡とおぼしき岩肌。この山にも多くの歴史があるのだろう。

懐古園を散策する。桜のつぼみはまだ堅いようであったが,ぼんぼりの準備などが進められていた。時々ぼんぼりの電線に引っかかりながら歩いた。小諸なる古城のほとり・・・静かなときが流れていた。
懐古神社の脇にある茶屋で信州そばをいただいた。一緒に出された「蕗みそ」がとても美味しい。「渉外会計係」のFさんは,おみやげに購入したいと交渉をはじめたが,残念ながら不調に終わった。本日のそばは,私たちで終わりとか。美味しくいただくことができました。





小諸ICから上信越道を進む。長野付近では,今日も後立山連峰が見える。しかし,晴れではあるが,ややどんよりしているのと,午後のため前日ほどの美しさがなかった。


ハイウェーオアシス小布施で最後の休憩をとる。ここからも北信五岳が見渡せる。看板もちゃんとあるんだ。ここには何回か来ているが,知らなかった。


こうして,皆様をお送りして松の家に着いた頃には,日もとっぷりと暮れていた。総走行距離800q近くの旅も無事終えることができた。
二日間とも快晴に恵まれ,たくさんの山々を望むことができた。有り難きかな。


翌日,感謝の気持ちを込めて,MAKOTO氏のミニバンの内外をきれいに清掃し,ガソリン満タンにして返納したとさ。



めでたし めでたし


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