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哈爾浜・長春の旅 その7 2017.6.23〜26


真夜中に、大勢の中国人たちが到着したらしい。夢の中で、大声の会話が聞こえてきた。



5時前に起床した。

満州の赤い朝日がぼんやりと見える。隣のホテルの脇では、この時間なのに、建設工事が始まっていた。(なんて早くから仕事をしているんだ、中国人)



【5:08 隣の空港賓館の脇に昇る太陽 建設現場では、もう工事が始まっている】




出発の準備を整えて、5時45分に部屋を出た。

と、廊下に出ると、真夜中に宿泊したはずの中国人たちの部屋はもぬけの殻。

どうやら3時間ほどの滞在だったらしい。(早すぎるぞ、中国人)

この人たち、愛すべき中国人たちに登録してもいいのだが、お目にかかっていないため、残念ながらランク外である。



昨夜来の瀕死のエレベーターは、どうやら回復したようだ。

スーツケースがあったので、多少心配しながらもエレベーターに乗った。やはり、ドアの閉まり方がぎこちない。
大丈夫かなと思っていたが、何とか閉じた。1階でも、ぎこちなくドアが開いた。


チェックアウトが無事終わったところで、眠そうな服務員がメモ用紙を渡してくれた。



【車に乗ったら、運転手さんに、国際線ターミナルに行きますと言ってください】



嗚呼、なんて優しい中国人なんだ。(でも、あなたが運転手に伝えてもいいんだけどね。)



ふと見ると、玄関前を大きな竹ぼうきで掃いている男性服務員がいる。
おお、早朝から何と働き手な中国人なのだ。いたく感激したKであった。


6時ちょうど、送迎のマイクロバスは、我々二人ともう一人の女性を乗せて、ホテルを出発した。

空港まで、約3qである。200mほど走って右折した。


・愛すべき中国人たちと田舎道12  これが、国際空港とトランジットホテルを結ぶ道か!!


なんと、そこからは、未舗装道路だった。しかも、その道路、モーグルのコースを平らにしたような、コブだらけの道だった。

車は大きく前後左右に揺れる。いやいや大変な道に入ったもんだ。でも、運転手は、ごく平然と運転をしている。



【この写真では、道路の凸凹が分からない 動画にすべきだった 残念】




このモーグルコース、半分近く来た辺りだっただろうか。

突然運転手のスマホが鳴り響き、何やら会話をしている。
突然、切り返しをしてUターンした。グラグラ揺られながら、またホテルに舞い戻った。


ホテルでは、一人の若者が乗車してきた。きっと乗り遅れた彼を迎えに戻ったのだろう。

乗り込んできた若者は、申し訳ないといった表情が見られない。大変残念である。



マイクロバスは、再び、モーグルコースへと入った。なんか少々めまいを感じる。

バイクの兄ちゃんは、まるでモトクロス状態だ。
自転車のおばさんは、乗るのをあきらめて自転車を引いて歩いている。

Fさんはと見ると、なんだか楽し気に、車の流れに身をまかせている。おいおいおい、テレサ・テンじゃないんだぞ。


いやぁ、早朝から想定外のアトラクションを楽しませてもらった。しかも、延長コース付きで。

そして、ようやく気が付いた。
早朝から玄関前を掃除していたのは、勤勉でも何でもないのだ。
このバスが到着するたびに、ほこりがたまってしまうからだったのだ。


それにしても、この道、雨の日に通ってみたかったなぁ とは、Kの悪魔のささやきであった。



それでもなんとか、国内線ターミナルを経由して、国際線ターミナルに到着した。

哈爾浜空港国際線のチェックインカウンターは、大勢の人たちでごった返していた。

チェックインも終わり、出国カードを記入していたら、可愛い女の子の声がした。


・愛すべき中国人13  ニーハオ小朋友

就学前後くらいの女の子が、外国人出国カード記載台で、カードに自分の名前を書いて遊んでいた。

Kが記入しているのを見て、「外国人だ」と母親に話した。

「そうです、私は日本人です。あなたは中国人ですか。」と、入門中国語のサンプルのような話をした。
すると、恥ずかしそうに「はい」と答えた。もちろん中国語で。

そして、手を振って別れた。


その後、搭乗口の近くに、彼女は母親と一緒に座っていた。我々に気が付くと、手を振ってきた。
彼女たちは、台湾行きの便に搭乗した。

たったそれだけの出来事。
たぶんこれからも会うことのない人たち。なんか、もう少し話をしたかったなぁと思った。さわやかな、小さな小さな出会いと別れであった。



本当に、いろいろな経験をした旅であった。たくさんのことを思い出しながら、機上の人となった。


・愛すべき中国人14   飛行機の座席でシンクロナイズドスイミング

ふと、前方の座席に目をやると、足先が見える。これって、いったいどのような姿勢でいるのだろう。
どうやら女性のようだが。かなりの時間、このような姿勢だった。



【最後の最後まで楽しませてくれる(たぶん)中国人  シンクロナイズドスイミングか犬神家の一族か・・・】



シートベルト着用サインが点灯のままだったので、確認に行くことはできなかったのが、非常に残念である。

最後の最後まで、信じられないようなアトラクションが待っていたのであった。



それでも、飛行機は定刻通り、新潟空港に着陸した。

入国審査では、圧倒的多数の外国人(中国人)の列を見ながら、圧倒的少数の日本人の列を通って、4日間の「外国人」を終えた。




考察編につづく



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