back

哈爾浜・長春の旅 その6 2017.6.23〜26


 哈爾浜西駅のタクシー乗り場は、長蛇の列だった。
それでも、どんどんとタクシーが来るので、少しずつ前に進んでいく。


15分くらい待って、ようやく乗車することが出来た。
運転手さんに空港近くの藍天賓館に行きたいと言ったが、???状況だったので、あらかじめ書いておいたメモを見せた。

「藍天賓館か、OK!OK!」てな調子で、車を走らせた。


しばらく車を進めるが、どうも哈爾浜市内に向かっているようだ。空港は、反対側の郊外にある。


渋滞にはまって車が停車したので、改めてメモを見せながら、「我々は、空港近くの藍天賓館に行きたいのだ。」と伝えた。



【運転手に見せたメモ これ重要な証拠(笑)】




「空港近くに藍天賓館があるなんて知らない。」
「いや空港近くにある。」と中国語でやりあった。


運転手は、スマホの音声認識で「空港近くの藍天賓館」を確認したようだ。

「すまん、知らなかったんだ。」というようなことを言っているらしい。

「いいですよ」と答えた。


ここまでの料金が約10元、さて、料金交渉はどうなるか、などと考えていた。


車は、Uターンして空港方面に向かった。


空港に向かう高速道路のインターチェンジに近づいたが、高速道路の入り口を通り過ぎた。

「高速道路で行ってほしい」と伝えたが、料金メーターを指さしながら、「料金が高くなるので、下道を行く」とのこと。

まあ、いいでしょう。どうやら高速道路の料金の20元を相殺しようとしているらしかった。なかなか良心的な運転手ではないか。


こうして、1時間近く走り、藍天賓館に到着した。

105元ほどの料金だったが、120元を渡し、お釣りは受け取らなかった。(もともと、120元を想定していた。)


このタクシー移動も、なかなかのアトラクションだった。


と、ここまで書いて、この人

・愛すべき中国人10   早とちり、案外誠実なタクシードライバー

として、愛すべき中国人にランクインした。



【藍天賓館提供の写真 周りは、見渡す限りの畑 遥か彼方に、哈爾浜空港周辺の建物が見える】




・愛すべき中国人たち11  中国語しか話せない服務員

ようやくたどり着いた藍天賓館、いよいよチェックインである。


チェックインカウンターで、いつものように「ニーハオ チェックイン プリーズ」と言って、予約確認書とパスポートを提示した。

受け取った女性服務員、何だか不安そうな表情で、隣の暇そうな服務員と顔を見合わせていた。

書類とにらめっこしていた服務員、突然中国語で話し始めた。明朝の出発のことを聞いているらしい。

E-Ticket 控えを見せたが、何とも要領を得ない。どうやら英語表記の内容が読み取れないようだ。


中国語で、「明日の朝8時10分に中国南方航空で日本に行きます。」と答えた。

すると、パット表情が明るくなり。分かりましたということになった。

こちらが、多少中国語が話せることに安堵したのだろう。

それはいいが、空港周辺で乗り継ぎ客相手のホテルなのに、中国語しか話せない服務員ってありかな。


「明日の朝、5:50にホールに降りてきてください。6:00にバスが出発します。」と中国語で紙に書いて、笑顔で渡してくれた。



さて、宿泊料金である。

何と、158元(約2,600円)である。
大人になってから宿泊したホテルの中では、最安値に違いない。これで、大人二人一泊朝食付きときた。
(翌朝早く出発するので、朝食はキャンセルだが)

カードで支払いできますかと尋ねると、現金払いとの返事。

そりゃそうだろうな、この料金でカード払いじゃ、とても元が取れない。



このホテルは、数年前に新築したらしく、全体にきれいだった。

さて、158元の客室はというと、結構広く、清掃も行き届いている。


ただ、何とも不思議だったのは、トイレ・シャワー・洗面台が一室にあり、それらに仕切りがないことである。

シャワーを浴びれば、当然トイレや洗面台がびしょびしょに濡れる。もちろん床もびしょびしょになる。シャワーの防水仕切りくらい付けなよ・・・。



【このシャワー 使ったら辺りはどうなるか、想像に難くない】




【すぐ脇には、木でできた洗面台 それはいいけど、写真撮るとき鏡に気を付けてね】




もう一つ。トイレットペーパーの予備がない。
トイレ使用後、すぐに全身シャワーを浴びれということか。
これがほんとのシャワートイレ!?などと、おやじギャグの一つも言いたくなった。


フロントとFさんとの交渉でわかったが、確かにビニール袋に入ったティッシュペーパーが5元と表示されて置かれてあった。
低料金のため、こんなところでも節約しているのかもしれない。



日が暮れてきた。お腹もすいてきたので、ホテルのレストランに向かった。


エレベーターの前に行くと、扉が閉まりかけては開くという不審な動作をしていた。

その前には、二つの大きな灰皿が置かれている。乗るなという意味に違いない。その他、何の表示もない。
たぶん普通に起きることなのだろう。階段で下りた。1階のエレベーター前にも、灰皿が二つ置かれていた。



【鏡に映ったりしていて分かりづらいが、瀕死状態のエレベータのドアと灰皿  だから、写真を撮るときは鏡に・・・】




レストランには、ほかに一人だけお客がいた。個室内では、数人の人たちで宴会が開かれているようだ。

ジャガイモの炒め物、白菜の炒め物、モツのピリ辛煮を哈爾浜ビールとともに注文した。



外の夕焼けが美しい。
「♪ここは お国の何百里 離れて遠き 満州の 赤い夕陽に照らされて・・・♪」などとつぶやきながら、料理を待った。



【外に出てみたかったのだが  満州の赤い夕陽】




料理は、どれも美味しい。ビールも美味しいということで、雪花ビールを追加した。

瀋陽でも、ジャガイモとキクラゲの炒め物を食べたが、ここでも、美味しくいただいた。
東北地方のジャガイモ炒めは、歯ごたえもよく美味しい。



【美味しいジャガイモの炒め物  ご飯はどこでもこんなふうに雑に盛る】




【白菜の炒め物とモツのピリ辛煮  火をつけて温めてくれるのがうれしい】




夕食代は、103元(約)1,700円)だった。



依然として、瀕死のエレベーターを見ながら部屋に戻った。

そして、洗面所をビッショビショにしてシャワーを浴び、眠りについた。
ここでも、クロックスが役に立った。




つづく

back