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哈爾浜・長春の旅 その4 2017.6.23〜26


偽満皇宮博物院の北側にある「市七十中学」という停留所から、276路線のバスに乗る。

少し待って、なんだか古ぼけた276路線のバスがやってきた。1元払って、一番後ろの席に着いた。


実は、この古ぼけたバス。何と、わずか1元で、この旅の中で最大級のアトラクションを楽しむことになる。


・愛すべき中国人たちとバス7  おんぼろバスと種まきおばさん

着席してふと見ると、左側の席は、ビニールテープで頑丈に固定してある。そして、窓には、「この席危険 座るな」と張り紙がしてある。



【防御のビニールは結構時間が経過している感じがする 長期にわたって修理していないだろう 後ろの人が、種まきおばさん】




【張り紙のアップ  此座危険 不要坐】




車内もだいぶ混んできた。

中国人ウオッチングをしていると、何とお尻半分だけ壊れた席に座るのである。
しかも、その人が下車した後、また別の人が同じように座る。

日本では考えられないが、このような壊れた席の放置は、ごく普通のことなのかもしれない。



その後ろの席の上品そうな女性が、種を食べ始めた。

ひっきりなしに食べては、その殻をバスの窓から投げ捨てていた。(種まきおばさん状態)

確かに、「車内を清潔に保ちましょう」などの標語はあるが・・・。

(中国では、ひまわりの種などをおやつ代わりに食べることが多い。種の殻を歯で砕くために、歯の上下がそれ専用にすり減っている人もいるという。)



と、突然、右前に座っていた女性が立ち上がり、ズボンの後ろ側をしきりに拭いている。

何事かとよく見ると、信じられないことに、タイヤハウスのつなぎ目から地面が見えるではないか。

雨が降り出し、路面の雨水が、その隙間から車内に跳ね上げられている。それが、乗客のズボンを直撃したという訳である。



【赤囲みの辺りから、勢いよく水が噴き出す】




いやそうにズボンを拭いていた女性。運転手に文句を言うでもなく下車していった。

空席になったので、次の女性が座った。

何か注意してやりたいのだが、言葉が出てこない。すると、親切な中国人が注意してくれた。


ここで、我々の目的地に到着したので、その後の顛末は知る由もない。

それにしても、何ともディープな中国社会を見た。愛すべき中国人たちとバスであった。

そして、思うのであった。このバス、廃車になるまで絶対に修理しないと。
もしかすると、下取りに出して、更に田舎のバスとして活躍するのではないかと。




1932年に満州国が建国され、その首都として整備された。そして、長春から新京と改称された。

その時整備された遺構が、各機関として現在も使用されている。



偽満州国軍事部

満州国軍の最高司令部である。



【現在は、吉林大学の附属病院として使われている】




偽満州国国務院

満州国の最高行政機関である。日本の国会議事堂を模して造られている。



【偽満州国軍事部の反対側にある 残念ながら修理中】




【守衛さんがいてなんだか怖い タバコを吸いに来ていたようだった】




【灯ろう? 現在は、吉林大学基礎医学院として使われている】




しばらく街を散策し、バスで長春駅に戻った。



昼に食べた牛肉麺が、まだお腹に残っているようで、コンビニ惣菜で、内食にしようかと考えた。

コンビニを数件あたったが、哈爾浜同様で、乾きもの系だけだった。



時間をおいて「東方餃子王」に行った。

白菜と豚肉・大根と羊肉の水餃子を注文し、雪花ビールとともに美味しくいただいた。

水餃子は、それぞれ12個入りで、皮が比較的薄く、美味しかった。

(大根と羊肉の水餃子の餡は赤かったので、大根ではなくニンジンだったかもしれない。)



【白菜と豚肉の水餃子 少々ぶれています】


55元(約930円)払ってホテルに戻った。





つづく

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