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祈りの島 福江島 その3 2016.5.30〜31


さて、夕食は何にするか。これが旅の楽しみの重要な部分を占める。

地元のフリーペーパーなどを見ながら、「かきごや こんねこんね」というところに行ってみることにした。

福江産の新鮮な魚料理がいただけそうだ。

お店は、住宅街というか、倉庫街というか、街角にあるが、昔ながらの牡蠣小屋を移築したような、誠に風通しの良い作りであった。


お客は、千葉県からやってきたという青年一人、なんだか訳ありそうな常連の女性、そして我々の4人だった。
お店の方は、調理人の男性一人と、東京から震災後越してきたという沖縄顔のおかみさん。

「この人、きっと沖縄出身だよね。」とひそひそ話をしていたが、見事に裏切られた。



【かきごや という具合で、とてもおいしい牡蠣だった。】




【明日は休業日なので、今日は仕入れが少ないです。と言いながら、おいしいお刺身を出してくれた。】


最初は、おかみさんを中心に、それぞれ、ハブのように話をしていた。やがて、話は一つになっていく。

人数が少ないと、これは必然である。


話の進展により、訳あり常連女性さんは、我々と同業者であることが分かってきた。互いになんとなく分かるんだよね、これが。

通常は、過去を隠し、それと分からぬようにひっそりと暮らしているが、その手の相談を受ければ、アドバイスするしかないでしょう。
ということで、しばし相談相手となってしまった。
まあ、我々の業界もいろいろありますな。分かる分かるということで、しばしの時間が流れた。まあ、これも一夜の楽しい思い出となった。



翌日の残された時間で観光する良い場所を教えてもらい、こんねこんねを後にした。

空には、明るく火星が輝いていた。そうか、スーパーマーズ火星大接近だったんだ。



5月31日(火)

宿の前にあるスーパーで、昨夜購入しておいたパンやおにぎりなどを朝食にした。

チェックアウトをし、鬼岳に向かう。



鬼岳

315mの火山台地である。山頂付近は、全面芝生に覆われていて、高い木は生えていない。
映画では、ここで柏木先生から合唱指導を受けるシーンとして使われている。

山麓には、たくさんの椿の木があり、これが椿油の原料となるのであろう。



【椿の実と鬼岳】




【山の上のほうは、全部芝生。多少のラフもあるが、手入れが良くなされている。】




【元気に頂上を目指す人がいる。ここでも、犬を連れた方と出会った。】




鐙瀬海岸(あぶんせかいがん)


こんねこんねのおかみさんから教えてもらったところである。
鬼岳の溶岩が海に流れ込んでできたらしい。
岩は、黒くごつごつざらざらしている。「たぶん玄武岩だろう」というKの見立て通り、玄武岩であった。

富士火山帯の多くは、玄武岩でできており、八丈島の「南原千畳岩海岸」も玄武岩である。(旅の記憶・くさやを求めて600qを参照してください)



【鐙瀬海岸】






ここも人は見かけない。出会ったのは、犬を連れた妙齢女性のみだった。



香珠子海岸(こうしゅしかいがん)


ここも、こんねこんねのおかみさんから教えてもらった。

実は、前日福江に戻る途中で見かけていたのだったが。紹介されなければ、行かないところである。



広大な砂浜が広がり、海の青さが南国である。

超妙齢のお二人が、波打ち際で作業をしていた。潮干狩りのようである。色々と話をすることができた。地元の人と何気ない話は、楽しい。

どうやら「鶴瓶の家族に乾杯」的出会いを期待しているようだ。



【遠くに二人の人がいる。】




【なーんしてるがー?】




【青い海が美しい。】




明星院(みょうじょういん)


高野山真言宗の寺院で、五島の真言宗本山である。

唐から戻った空海が立ち寄り、明星院と名付けたという。
境内は広くはないが、本堂の格天井の絵が美しい。


五島といえば、キリシタンという感じであるが、キリシタンは、10%ほどであるという。
仏教も、しっかりと根付いている。



【明星院山門】




【修行中の弘法大師空海様】




【明星院本堂】




お昼前に、福江に戻りレンタカーを返却した。

荷物を預かってもらい、福江市内を歩いて観光した。五島観光歴史資料館、武家屋敷、福江港などを見て回った。



【武家屋敷通り】




【武家屋敷での昼食 五島うどん】




【福江フェリーターミナル脇 中央奥に、城の石垣の一部で灯台の役目も果たした、「常灯鼻」が見える。】





五島福江空港に着いた。搭乗する便は、ORC96便15:30福岡着16:15である。
ところが、ORC74便13:35長崎行きが2時間ほど遅れているようだ。幸い、96便に遅れはないようだ。

ということで、2機しかないORCのボンバルディアDHC−8−200が同時に五島福江空港にあるという状況になった。



満席のボンバルディアは、来る時と同じ飛行機だった。揺れもなく福岡空港に到着した。

新潟便のB737−500(JA8404)は、定刻小雨模様の新潟空港に定員の半数ほどの乗客を乗せて着陸した。



こうして、祈りの島福江島の旅が終わったとさ

めでたし めでたし




余談1

ORCのCAさんは、忙しいとか言いながら、Kは、離陸前に「手書きの地図をいただけますか」とおねだりしていた。

CA「ホームページ見て下さったのですか。ありがとうございます。後でお届けします。」
ということで、手書きの地図のほか、特別に手作りの安全お守りをいただいた。

この会社、色々と工夫して、お客さんを楽しませようとしていることがうかがえ、好感が持てた。 



【CAさん手書きの地図と、二つの旅行安全お守り】




余談2

対馬で驚いた島ガソリン値段。今回は、1リットル149円だった。

巷が110円くらいだったので、やはり超高い島値段である。地元の人は、大変だなあ。







おしまい

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