
祈りの島 福江島 2016.5.30〜31
「瀋陽の興奮冷めやらぬ」という状況であったが、祈りの島への旅を取り急ぎ計画した。
それというのも、5月31日でANAの株主優待券4枚が無効になること。
Fさんのマイレージの一部が6月末で失効してしまうということ。
急ぐのは、この二つの理由だった。
実は、昨年11月、同じ株主優待券4枚を泣く泣く無効にしていたのであった。二期にわたって無効にはできない。
Show-maに叱られる。
旅行の目的というよりも、飛行機に乗るという、何とも自己目的化していることが笑える。
なぜ、福江島か。
ANAの国際線に乗り、九州辺りに近づくと、モニターに「五島福江」と空港名が表示される。なぜか、気になる存在として、記憶の片隅にインプットされていた。
映画「くちびるに歌を」(以下、映画と略記)は、アンジェラ・アキの「手紙」を題材にした感動作である。舞台は、五島列島。この映画、2015年2月28日に公開された。3月12日にイオンシネマで鑑賞し、心に残っていた。

このようなことから、Mr.Kの「島めぐり」の候補として、温めてあったのである。熊本地震の被害も気になってはいたが、大きな影響もないらしい。
ということで、「祈りの島 五島列島」を計画した。五島列島と言いながら、訪れたのは、福江島のみであったが。
2016年5月30日(月)
9:10新潟空港発のANA1282便で、福岡空港に向かった。
この新潟・福岡間が、Fさんのマイル利用区間である。Fさんは、この区間往復無料である。
福岡空港で1時間半ほどの時間があったので、ラウンジでコーヒーを飲んだり、とんこつラーメンを食べたりして過ごした。
12:25福岡空港発のオリエンタルエアーブリッジのORC93便で、五島福江空港に向かう。
【福岡空港14番スポットに駐機中のJA802B 空港内を歩いて搭乗する。】

オリエンタルエアーブリッジは、長崎県の第三セクターの航空会社で、ボンバルディアDHC−8−200(乗客39人乗)を2機保有し、離島航路を運航している。
これら2機は、2019年と2020年に構造寿命を迎えるそうだ。乗るなら、今しかない。
このORC93便は、ANAとのコードシェア便となっている。
ここでの往復で、ANA株主優待券を4枚使う。これで、普通運賃の半額になるという設定である。
DHC−8−200は、乗客39人乗りということで、CAさんは、一人である。
(CAさんは、乗客定員50人当たり一人必要である。)
一人のCAさんの仕事は、なかなか大変である。通常の飛行機のCAさんと同じように、ドアのセーフティーレバーの確認やら、トイレの確認やら、アナウンスやら、救命胴衣の付け方の説明やら、シートベルトの確認やら、手荷物の整理やら、パンフレットの配布やら、飴玉の配布まで、一人でやっている。
【ほぼ満席の機内 左の大きな椅子がCAさん席 その右は、向かい合わせの1C・1D席 1Dにおっさんが一人乗った。】

【座席前ポケットのエチケット袋 もしかして、こんなにたくさん必要になるくらい揺れるのか?】

小さな飛行機であるが、特に揺れることもなく、定刻13:10に五島福江空港に着陸した。
【五島福江空港に着陸した。なかなか、いい面構え。】

レンタカーの手続きをして、さっそく島内巡りを始める。今回は、福江島を反時計回りに進む。
最初に訪れたのは、堂崎教会。
ここは、キリシタン禁制解除後、五島カトリック復活の拠点となった教会だそうだ。すぐ前が海で、列島各地から舟で駆け付けたらしい。その海の水がとてもきれい。現在は、キリシタン資料館として、観光客を迎えている。300円也をお納めして中に入る。
【堂崎教会 受付で300円を納める。】

【教会の入り口 靴を履いている人がいる。】

【振り返ると、復活の夜明け像と海】

堂崎教会から程なくして、赤い橋「戸岐大橋」を渡る。この橋の下の集落「戸岐」で、映画の撮影が行われている。サトルとアキオの家のシーンである。
【戸岐大橋】

【戸岐の集落と漁港】

島独特の、急に狭くなる曲がりくねった道を通って、道の駅「遣唐使ふるさと館」に向かう。
途中の山道で、二匹ほどの蟹さんが、横向きになって道路を横断していた。車が近づくと、猛烈な速さで横断する。
蟹さん蟹さん、左右を確認し、しっかり前を向いて横断しましょう。
水ノ浦教会。
映画では、ナズナと柏木先生が出会ったり、小さいころのナズナとアキオが出会ったりする、重要な場面に使われている。
中に入って、しばしの間、沈黙の時間を過ごした。外の高台は、キリシタン墓地になっており、そこからの教会と海の風景が美しい。
【水ノ浦教会正面】

【キリシタン墓地から望む、水ノ浦教会と海 小さな教会は、海がよく似合う。】

楠原教会。
【レンガ造りの教会 内部もいい感じだった。】

教会にも人がいないが、道の駅にも客がいない。ここでも、静寂な時間を過ごすことができた。
映画の海岸シーンを撮影した、高崎浜に向かう。
なんだかよくわからないうちに、小さな浜を過ぎてしまった。どうやら、そこが高崎浜だったようだ。
しばらく進んで、高崎鼻に出る。草原の気持ちが良い場所である。犬を連れた女性が散歩していた。
【高崎鼻から今来た道を振り返る。この砂浜が、高崎浜だろう。】

【高崎鼻 犬を連れた人以外、誰もいない。】

三井楽半島北端の柏崎に行く。
空海が遣唐使として唐にわたる時の、日本最後の寄港地だそうだ。
「辞本涯」(日本の最果ての地を去るという意味)の石碑と空海様が立っておられた。
【日本を辞する空海様】

そうだ、祈りは、何もキリシタンだけのものではないのだ。
仏教徒にも素晴らしい祈りがあったのだ。
つづく
