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おこんじょうるり(さねとう あきら/理論社)





イタコのばばさまは年のせいでこの頃、やることなすこと失敗続き。
挙げ句の果てにまじないの失敗で自分が怪我をしてしまい、もう10日も寝たきりのありさまでした。

貧乏な一人暮らしのばばさまの家に、ある夜腹っぺらしの狐が忍び込みました。
病気のせいですっかり気弱になっていたばばさまは、自分の家にある食べ物を全て狐に食べさせてしまいます。
狐はそのお礼に、ばばさまに浄瑠璃を聞かせます。
するとなんと、ばばさまの病気はすっかり治ってしまいます。

ばばさまはこの狐を「おこん」と名付け、一緒に暮らし始めます。
ばばさまは背中のおこんをちゃんちゃんこで隠し、病気の人たちをおこんの浄瑠璃で治し、大評判を呼ぶようになります。

ある時お城のお姫様が重い病にかかり、浄瑠璃で病気を治す不思議なイタコがいると言う噂を聞いたお城の侍が、ばばさまを呼びにやってきました。ばばさまは悪い胸騒ぎがしたので、今回は止めにしようと思いますが、おこんは早くばばさまを楽にしてやりたい一心で、褒美がたくさんもらえるお城へ行こうと勧めます。
使いの侍も来なければ殺すと脅かすので、ばばさまは仕方なくおこんをちゃんちゃんこに隠してお城へ向かうのですが・・・。

この本は、いつも6年生の最後の読み聞かせで読んでいる本です。
20分以上かかるので、通常の読み聞かせの時間内ではオーバーする物語なのですが、最後の読み聞かせと言うことでお許しをいただいて読んでいます。

今年の6年生にはこの6年間で200冊以上の本を読み聞かせてきました。
本は心の成長に欠かせない栄養素の一つだと思います。

小学校時代に読んだ本で心に残った本が1冊でもあったら、それは一生の宝物になるはずです。
中学生になっても素晴らしい本との出会いがあることを祈りながら、この本を心を込めて読んできました。




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