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大連の旅 その1 2015.10.21〜23

 新潟空港から,比較的容易に行ける中国の都市の一つが,大連である。

 大連と言えば遼東半島,遼東半島と言えば三国干渉,日露戦争の主要地でもある。近年,旅順も観光客(といってもほとんど日本人)に開放し始めた。

 1900年初頭の歴史を知るべく,大連へと出発したのであった。





2015年10月21日(水)

 新潟空港でのチェックインでは,人が少なくてびっくりしたが,大韓航空機に搭乗してみると,結構席は埋まっていた。仁川空港での乗換時間が,これまでの最短で1時間15分しかない。
 昨年末,北京からの乗り換えでは,長蛇の列のため,1時間45分もかかった。幸いなことに,今日は,ここもガラガラで,あっという間に通過できた。大連行の飛行機もだいぶ混んでいる。

 こうして,現地時間13:30(日本との時差−1時間) で,大連周水子国際空港に到着した。新潟から乗り換え時間を含めて,わずか5時間。近いものである。チェックインなどを含めると,本当は,7時間ほどかかるが,本当に近い。

 バゲージをピックアップして,到着ロビーに出ると,出迎えの旅行業者に交じって,「タクシー?」と話しかけてくる人がたくさんいる。噂通りの白タクの客引君の登場だ。外国で,向こうから話しかけてくる人は,危険人物と決まっているので,ここは,目を合わせずに「不要:ブゥヤオ」と言って無視する。

 あらかじめ調べておいた通り,正規のタクシー乗り場に行くと,すぐにタクシーが来た。
「我想去大連日航飯店」と言ったが,??のようなので。メモを見せたら,OK・OKと商談が成立した。
 タクシーで約30分,無事に大連日航飯店に到着した。料金は30.5元で,0.5元はまけてもらった。日本円で600円くらい。白タクだと,最低100元,高いと400元も取るそうだ。空港に多くの客引君がいるということは,それなりに商売が成立しているということなんだね。なんともはや・・・。

 ホテルのチェックインは,基本英語。ここは,日系のホテルのため,日本語も使える。
 インターネットからダウンロードした予約確認書,パスポート,クレジットカードを出し,内容を確認してサインをすればチェックイン終了。カードキーを受け取って部屋に向かう。

 さっそく,町探検を始める。マップの現在地表示がずれる原因は,不明なままであるが,仕方ない。ここは,絶対土地勘を頼りにすることにする。


中国では使えないグーグルマップ あらかじめダウンロードしておけば使えるが,現在地表示が違う場所になる。



 まず,中山広場に向かう。10分弱で到着した。広場の回りは,ロータリーになっており,地上を渡ることは不可能に近い。地下道を探して,広場の中心に立った。
 ここからは,ぐるりと日本統治時代の歴史的建造物10棟が,そのまま見渡せる。旧大連ヤマト旅館(1914年),その反対側は,旧横浜正金銀行大連支店(1909年)などが,それぞれ大連賓館,中国銀行大連分行などとして,現役で使われている。



中国銀行大連分行 (旧横浜正金銀行大連支店)




中国人民銀行大連分行 (旧朝鮮銀行大連支店)




遼寧省対外貿易公司 (旧大連民政署)




中国工商銀行大連分行 (旧大連市役所)




大連賓館 (旧ヤマト旅館)




 せっかくだからということで,大連賓館に入ってみることにした。





 回転ドアにボーイさんがいたので,「中を見たいのですが,いいですか」と中国語で訪ねたら,「いいですよ」と中国語で返事。おお,通じる・・・。中を見ていると,一人50元で内部見学ができるとの表示があった。

 先ほどのボーイさんに声をかけようとしたその時,おじさんが日本語で,「見学ですか」と話しかけてきた。ホテル内の人なので大丈夫だろうということで,内部見学をお願いした。
 近代史の舞台となった迎賓庁,狭いが当時の備品などを飾ってある館蔵陳列室,当時大連一だった宴会場,ラストエンペラー溥儀が使い,そのまま保存されているスイートルームなどを見て回った。

 本当に豪華な作りで,圧倒された。ただし,途中の廊下の天井などは,雨漏りのため傷みがひどいところも見られた。いいものを見せてもらった。今度機会があったら宿泊してみたいと思うが,夜中に当時の亡霊があらわれてくるような気もするので,やめることにするか。


迎賓庁




宴会場




 大連賓館を後にして,大連駅方面に向かった。
外国の路上で,地図を広げている人は,犯罪のターゲットになりやすい。だからこそ,スマホで現在地を確認しようと考えていたのであるが,それができない。

 まあ何とか,頭の中にある地図をもとに,大連駅にたどり着くことができた。上野駅を模したという大連駅は,出発フロアーが二階で,車がそのまま乗りつけられるようになっている。まるで,現代の空港のようで斬新だ。


大連駅 (中央のおじさんは,関係者ではありません)



 そこから歩いて,勝利橋(旧日本橋),ロシア人街などを眺めてホテルに戻った。


勝利橋 (旧日本橋 下を旧南満州鉄道が通っています。 2015.10.23撮影)




ロシア人街入口にある大連芸術展覧館 (旧東清鉄道汽船株式会社)



 本日の夕食は,お疲れ様ということで,ホテル内の中華レストラン「紅蓮:レッドロータス」でオーダーバイキングと相成った。青島ビール,大連ビールとともに,202元の料理を食べまくった。





 夜景を見に行く余裕もなく,夢の世界に入っていった。



つづく

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